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第二話 Big Women 其の7 [惑星ブルース~オカマ地獄変]

「さあ、控室へ行って次の客を待て。さっきの二人に、ここのシステムを聞いておくといいだろう。おい、アブドーラ・ザ・ベラマッチャーを舐め犬リストに追加しろ。極悪プレイのヒールでだ」
 笑い終わると店主は言い、入り口前の番台に座っている男に指示して奥へ消えた。
 ベラマッチャは店主の背中を目で追った後、店の奥の控室へ向かって歩いたが、たとえ舐め犬とはいえヒールにされた事に納得がいかない。それに先ほど擦れ違った大男が妙に気になる。確かに見覚えがあるのだ。
 あの大男は誰が思い出そうとしながら控室に着いたベラマッチャは、扉の前で腕を組み再び考え込んだ。だが、どんなに思い出そうとしても出てこない。
 ホゥッ、と溜息をつき、考えるのを止めたベラマッチャが扉を開けると、太った女とのプレイ前にいた二人が、未だに疲れた表情で座っていた。
「諸君、お疲れの様子だな。僕の名はアンソニー・ベラマッチャ、今日から諸君の仲間だ」
 部屋の扉を閉め、テーブルを挟み向かい合って座っている二人に高飛車とも思える挨拶をすると、右側に座っている男が手招きして座るように勧めてくれ、ベラマッチャが椅子に腰掛けると左側の男が声を掛けてきた。
「ヘッヘッヘ……マワシか……、懐かしいじゃぁねえか。お前もスモウ・レスラーか?」
 男の言葉にベラマッチャは驚いた。どうやら男はスモウ・レスラーらしい。二人とも歳の頃四十台半ば、ベラマッチャより一回り年上に見える。それに、よく見ると服の下の体つきは逞しそうである。
「君たちもスモウ・レスラーかね? 何故こんな所にいるのか知らんが……。ひょっとして先ほど擦れ違った大男もスモウ・レスラーなのか?」
 ベラマッチャの問いに、右側の男が答えた。
「あぁ、きっとマラさんだろう。お前もスモウ・レスラーなら知っているだろう? スモウ・グランドチャンピオン、ジャイアント・マラさんさ」
 ベラマッチャは再び驚いた! あの大男は子供の頃憧れたチャンピオン、ジャイアント・マラだと言うのだ!
 何故ジャイアント・マラがここにいるのか、ベラマッチャが聞くより早く右側の男が言葉を続ける。
「昨今の戦争で景気が冷え込み、どのスモウ団体もレスラーを戦争に取られて廃業だ。俺たちの団体『U.S.O.』も例外じゃねえ」
 右側の男の言葉に、今度は左側の男が頷きながら喋りはじめた。
「何故スモウ・レスラーが舐め犬なんかやってるのかと思ってるんだろうが、そういう理由さ。俺たちも食っていかなきゃならねぇ。俺はタイガージェット・チン、こいつはキラー・トーア・オマタだ」
 タイガー・ジェット・チンの言葉を受け、今度はキラー・トーア・オマタが口を開いた。
「こっちはヒールの控室だ。マラさんたちはベビーフェイス、向こうにはマラさんの他にコカン・ハンセンとハルク・コーガンがいる。お前、名前は決まったのか?」
「むぅ、僕はアブドーラ・ザ・ベラマッチャーという源氏名を付けられた」
 ベラマッチャの答えに、タイガー・ジェット・チンとキラー・トーア・オマタは声を上げて笑っている。
「こいつはいい名前だ! よろしく頼むぜ、アブドーラ・ザ・ベラマッチャー!」
「こちらこそ、よろしく頼むよ。セニョール・チンにセニョール・オマタ」
 憧れのスモウ・レスラーたちに握手を求められたベラマッチャは、敬意を表するため立ち上がり、二人と固い握手を交わした。

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