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第二話 Big Women 其の7 [惑星ブルース~オカマ地獄変]

「さあ、控室へ行って次の客を待て。さっきの二人に、ここのシステムを聞いておくといいだろう。おい、アブドーラ・ザ・ベラマッチャーを舐め犬リストに追加しろ。極悪プレイのヒールでだ」
 笑い終わると店主は言い、入り口前の番台に座っている男に指示して奥へ消えた。
 ベラマッチャは店主の背中を目で追った後、店の奥の控室へ向かって歩いたが、たとえ舐め犬とはいえヒールにされた事に納得がいかない。それに先ほど擦れ違った大男が妙に気になる。確かに見覚えがあるのだ。
 あの大男は誰が思い出そうとしながら控室に着いたベラマッチャは、扉の前で腕を組み再び考え込んだ。だが、どんなに思い出そうとしても出てこない。
 ホゥッ、と溜息をつき、考えるのを止めたベラマッチャが扉を開けると、太った女とのプレイ前にいた二人が、未だに疲れた表情で座っていた。
「諸君、お疲れの様子だな。僕の名はアンソニー・ベラマッチャ、今日から諸君の仲間だ」
 部屋の扉を閉め、テーブルを挟み向かい合って座っている二人に高飛車とも思える挨拶をすると、右側に座っている男が手招きして座るように勧めてくれ、ベラマッチャが椅子に腰掛けると左側の男が声を掛けてきた。
「ヘッヘッヘ……マワシか……、懐かしいじゃぁねえか。お前もスモウ・レスラーか?」
 男の言葉にベラマッチャは驚いた。どうやら男はスモウ・レスラーらしい。二人とも歳の頃四十台半ば、ベラマッチャより一回り年上に見える。それに、よく見ると服の下の体つきは逞しそうである。
「君たちもスモウ・レスラーかね? 何故こんな所にいるのか知らんが……。ひょっとして先ほど擦れ違った大男もスモウ・レスラーなのか?」
 ベラマッチャの問いに、右側の男が答えた。
「あぁ、きっとマラさんだろう。お前もスモウ・レスラーなら知っているだろう? スモウ・グランドチャンピオン、ジャイアント・マラさんさ」
 ベラマッチャは再び驚いた! あの大男は子供の頃憧れたチャンピオン、ジャイアント・マラだと言うのだ!
 何故ジャイアント・マラがここにいるのか、ベラマッチャが聞くより早く右側の男が言葉を続ける。
「昨今の戦争で景気が冷え込み、どのスモウ団体もレスラーを戦争に取られて廃業だ。俺たちの団体『U.S.O.』も例外じゃねえ」
 右側の男の言葉に、今度は左側の男が頷きながら喋りはじめた。
「何故スモウ・レスラーが舐め犬なんかやってるのかと思ってるんだろうが、そういう理由さ。俺たちも食っていかなきゃならねぇ。俺はタイガージェット・チン、こいつはキラー・トーア・オマタだ」
 タイガー・ジェット・チンの言葉を受け、今度はキラー・トーア・オマタが口を開いた。
「こっちはヒールの控室だ。マラさんたちはベビーフェイス、向こうにはマラさんの他にコカン・ハンセンとハルク・コーガンがいる。お前、名前は決まったのか?」
「むぅ、僕はアブドーラ・ザ・ベラマッチャーという源氏名を付けられた」
 ベラマッチャの答えに、タイガー・ジェット・チンとキラー・トーア・オマタは声を上げて笑っている。
「こいつはいい名前だ! よろしく頼むぜ、アブドーラ・ザ・ベラマッチャー!」
「こちらこそ、よろしく頼むよ。セニョール・チンにセニョール・オマタ」
 憧れのスモウ・レスラーたちに握手を求められたベラマッチャは、敬意を表するため立ち上がり、二人と固い握手を交わした。

第二話 Big Women 其の6 [惑星ブルース~オカマ地獄変]

 ベラマッチャは女から離れると、再び鞭を手に取って女を叩いた。身体に走る衝撃に目を覚ました女はゆっくりと起き上がり、仁王立ちのベラマッチャの前に跪くと、自身の淫水塗れのベラマッチャの摩羅を手に取り、顔を上げてベラマッチャの目を見つめる。ベラマッチャは顎で女に指図し、己の摩羅を口で掃除させながら、プレイが終了した事を告げた。
「プレイは終わった。夢の世界から現実へ戻る時が来たのだ」
 女は名残惜しそうにベラマッチャの摩羅を数回扱くと無言でベラマッチャから離れ、服を着始めた。ベラマッチャもマワシを着け、着替え終わった女の手を取り部屋を出て待合室へ向かう。無言で薄暗い廊下を歩いていると、女の肩ほどしか背丈が無いベラマッチャの頭を女がソッと撫でてきた。女にされるがまま、待合室へ行くと店主の姿が見える。痩せて背の低い女に頭を下げ、店主の横にいる恐ろしく背の高い男が女を抱きかかえてベラマッチャたちと擦れ違い、個室の方へ向かって行く。
(どこかで見た顔をしとる……)
 ベラマッチャは振り返り、擦れ違った大男を目で追うと店主の声が聞こえてきた。
「プレイは如何でございましたでしょうか?」
 頭から女の腕が離れたのでベラマッチャが前を見ると、店主が頭を下げながらベラマッチャとプレイをした太った女を出迎えている。
「この人、凄く良かったわ! あんなプレイで悶絶したのは初めてよ! 名前も聞いてなかったけど、今度指名で入りたいから名前を教えて!」
 店主は少し戸惑った表情でチラリとベラマッチャを見ると、再び笑みを浮かべながら女の方を向いた。
「この者は入店したばかりなので、まだ源氏名を決めておりません。次回ご来店されるまでに源氏名を決めておきましょう。アフロヘアの男はこの者しかおりませんので、次回ご氏名の時には『アフロの男』とご指名ください」
 女は店主の言葉に頷くと、屈んで横にいたベラマッチャに抱き付きキスをした。スッキリとした表情で店を出て行く女を店主と共に頭を下げて見送ると、人のいなくなった待合室に店主の声が響いた。
「俺の思ったとおりだ……。スモウと同じで、舐め犬にベビーフェイスとヒールあり。ベビーフェイスは甘いマスクや超絶の寝技で女を虜にするが、ヒールとはマニアックなプレイで特異な性癖の女を虜にする。お前はヒールとして売り出す事にする。まさかデビュー戦で客を悶絶させるとは思ってなかったぜぇ。お前、名前は?」
「むぅ、僕の名はアンソニー・ベラマッチャだ」
 ポカンと口を開けて答えるベラマッチャに店主はニヤリと笑い、言葉を続ける。
「お前はヒールになるんだ。その間抜けヅラも怖くしなきゃならねえ。ちょっと怒った顔をしてみろ」
 ベビーフェイスのスモウレスラーとして修行を積んできたベラマッチャには、店主の言葉は想像の遥か彼方の言葉である。店主に抗議しようとしたが、売り出してもらえれば当面の間、死を間近に感じる事はないだろう。ベラマッチャは店主の言葉に従い、怖い顔を作ってみせた。だが店主は首を振り、ベラマッチャにもっと怖い顔をするよう言ってくる。再び怖い顔を作ったベラマッチャに、店主から大声が飛んできた!
「もっと怒れッ! 怖い顔をしろッ! アンソニー・ベラマッチャなんてフザけた名前はやめちまえッ! よーしッ! 今日からお前は『アブドーラ・ザ・ベラマッチャー』だッ!」
 店主は叫びながらベラマッチャの源氏名を決めると、怖い顔をしたままのベラマッチャを見ながら大声をあげて笑った。
「ハッハッハ! 舐め犬店ドッグファイトへようこそ! 黒い呪術師アブドーラ・ザ・ベラマッチャーよ!」
 スモウでは生涯使い続けねばならない四股名ともいえる源氏名を、ベラマッチャは風俗店で決められてしまったのだった。

第二話 Big Women 其の5 [惑星ブルース~オカマ地獄変]

 壁際へ女を追い詰めたベラマッチャが更に一歩踏み出し、女の顔を睨みながら一瞬の間を置いて大きく鞭を振るうと、女は力なく床に崩れ落ちた。両手を床に付き項垂れる背中目掛けて更に何度か鞭を振るうと、身体の至る所が赤く腫れ上がった女は涙を溜めた目でベラマッチャを見つめ、哀願の表情を浮かべながらポツリと呟いたのだった。
「あぁ……気持ちいい……。こんな事って……」
 椅子に縛り付けられ、身体をくの字に曲げたまま夢中で鞭を振るっていたベラマッチャは、女の変化に戸惑いを覚えた。男を打ち据え快感を得る女だと思っていたが、どうやらヘンタイロスと同じ快感に目覚めてしまったらしい。
 ふとベラマッチャは悪戯心を起こし、両手を床に付いて四つん這いになっている女の顔を足で踏みつけてみた。すると女は、ベラマッチャに踏みつけられるまま床に倒れ、抵抗する様子もない。紳士たる者のする事ではないとの罪悪感を感じつつ、ベラマッチャは女の仕打ちに抗議する事にした。
「マダム、いくらプレイとはいえ、あまりの仕打ちだ。これでは紳士の面目が丸潰れではないか」
「ごっ、ごめんなさい……私、男はみんな、ああされるのが気持ちいいって思ってたの。うちの亭主がそうだから。でも、女もこんなに気持ちよくなるなんて……。お願い! もっとぶって! ぶってよッ!」
 どうやら女の亭主も、ヘンタイロスと同じ嗜好の持ち主のようだ。女は己の顔を踏みつけているベラマッチャに、もっと鞭で叩くように懇願し、左手で乳房を、右手で股間を弄り始めた。
 冷静になって考えてみれば、女を鞭打つプレイなど紳士のすべき事ではない。しかし舐め犬として売られてしまった以上、客の望むプレイをして満足させなければ食事にありつけない。これが今の自分が置かれている現実なのである。
 ベラマッチャは頷くと、顔を踏みつけたまま、より強く女の身体を打ち始めた。
「あぁ~ッ! いぃッ! うぅッ! お願い! 入れてッ! もうダメぇ~ッ!」
 女は嬌声を出しながら、股間に己の指を入れて激しく動かしている。女が股間から発散させる雌の臭いを嗅ぎながら、激しい鞭の音と嬌声を聞いていると、ベラマッチャは自分の摩羅が怒張している事に気づき、鞭打つのを止めた。
「マダム、僕の身体を縛っとる縄を解きたまえ」
 椅子ごと床に座ったベラマッチャは、ヨロヨロと立ち上がった女に縄を解かせて身体を自由にすると、再び女を鞭打って床に転がせ、手に持った鞭を投げ捨てた。そのまま女の脚の間に割り込んで両脚を持ちあげ、摩羅をズブリと突き入れると、数度腰を動かしてベラマッチャは果てた。
 それでも怒張が収まらない摩羅を抜き、両脚を大きく開いたベラマッチャは、「南無阿弥陀仏」と小さく呟いて女の股間に顔を埋め、女の肉豆を軽く噛んだ。
「ヒイィ~ッ!」
 女は高々と腰を浮かせ、そのまま三度腰を振ってから白目を剥き、果ててしまった。

タグ:小説 創作

第二話 Big Women 其の4 [惑星ブルース~オカマ地獄変]

 女はベラマッチャの身体を撫でると、顔に両手を伸ばしてジッと見つめる。顔から腕、胸と太ももを触りながらベラマッチャのマワシを脱がせはじめ、乳首を舐め回し始めた。緊張のため身体が動かないベラマッチャは、女にされるがままである。普段なら摩羅が勃起しているであろうが、今は緊張に性欲が打ち負かされている。
 マワシを脱がせ終わり股間に手をやった女は、摩羅を見て淫らな笑みを浮かべ、ベラマッチャの唇に自分の唇を重ね合わせた。
「ウフフッ……子供みたいに可愛いのを持ってるじゃないか」
 一頻り身体を弄った女は、ベラマッチャから離れて椅子の横に置いてある鞄を弄ると、赤いロープと先が幾本にも分かれた鞭を二つ取り出し、ベラマッチャの顔を見てニヤリと笑った。
「緊張しているのかい? 私が座っていた椅子にお座りよ。これから気持ちいい事を始めるんだからさ」
 女は自分が座っていた椅子に座るよう言い、赤いロープでベラマッチャの身体を椅子に縛り付けだした。両手両足の自由を残し、ベラマッチャの胴体と椅子を綺麗に亀甲縛りにしていく。不安を感じたベラマッチャは、女に話しかけた。
「キミィ、いったい僕をどうしようというのかね? これでは僕が動けないではないか」
「無粋な男だね。プレイ中は私をマミーとお呼び! 私のする事と言う事に絶対逆らうんじゃないよ!」
 女はベラマッチャにきつい視線を送りながら命令口調で言うと、服を脱いで全裸になり、両手に鞭を持って椅子に縛り付けられたベラマッチャの正面に仁王立ちになった。刹那、ベラマッチャは自分の目から星が飛び散ったのかと思うような衝撃を身体に感じ、驚きの顔で女を見ると、女は下卑た笑みを浮かべながら手に持った鞭をベラマッチャ目掛けて振り下ろす。
「ギャッ!」
 ベラマッチャは悲鳴をあげながら自由の利く両腕で鞭から身を守ろうとするが、女は構わず両手に持った鞭をベラマッチャ目掛けて振り乱す。
「どうだい! 気持ちいいだろう! 私をイカせるまでイクんじゃないよッ! 判ったら『はい、マミー』って返事をしな!」
 女は勝手な事を叫びながら、ベラマッチャを滅多打ちにしていく。堪らずベラマッチャは椅子に縛り付けられてまま立ち上がり、咄嗟に片方の鞭を奪った。
「あッ!」
 驚く女目掛け、ベラマッチャは鞭を振るった!
 ビシィッ! という音と共に、女の「キャァッ!」という悲鳴が轟く。女は困惑と怯えと怒りが入り混じったような何とも言えない表情を浮かべながら、弛んだ腹の肉を揺らして壁際まで逃げた。ベラマッチャは女を追い駆け、尚も鞭で女を叩くが、逃げ場の無い女もベラマッチャを鞭で叩き、快楽のためのプレイルームである個室は阿鼻叫喚の地獄絵図と化した!

タグ:小説 創作

第二話 Big Women 其の3 [惑星ブルース~オカマ地獄変]

 部屋を出て、薄暗く長い廊下を店主の後に続いて歩くと、角を曲がった突き当たりに扉がある。店主が扉を開けると、中は部屋になっていた。店主が部屋へ入り、ベラマッチャも後にに続くと、中には疲れきった表情でボウッと座っている二人の男がいる。
「ここがお前の部屋だ。そこに座っている連中と三人で使うんだ。早速だが客が待っている。おい、新入りに必要な物を渡してやれ」
 店主が言うと、疲れきった表情の男たちがノソノソと動き始め、タオルや馬の毛で作った歯ブラシを持って来た。ベラマッチャが差し出された物を受け取ると、店主が付いてくるように言った。
「今、常連客が待っている。普通のプレイに飽き、童貞の男を責めたいそうだ。お前は童貞、判ってるな? もっとも本当に童貞かもしれねえが……。プレイが終わったらここへ戻って来て、また呼ばれるのを待つんだ。その間に、そこの二人に色々教えて貰え。行くぞ」
 部屋を出た店主の後に続き、再び元来た廊下を歩き始めたベラマッチャは、店主と居た部屋を通り過ぎ反対側の廊下の角を曲がった。その先には、右側の壁に扉が五つ並んでおり、店主は一番手前の扉を開けて中に入った。少々怖気づき、廊下に突っ立ったままのベラマッチャに入ってくるよう、顎で合図する。ベラマッチャは生唾を飲み込むと覚悟を決め、俯いたまま部屋へ入った。
「お待たせ致しました。先程入店したばかりの男でございます。顔はブサイクで少々歳もとっておりますが……正真正銘、お客様ご希望の童貞でございます」
 店主の言葉にベラマッチャが顔を上げると、目の前に四十代半ばと思われる太った女が椅子に腰掛けている。女はベラマッチャと真が合うとパッと顔を綻ばせ、嬉しそうに口を開いた。
「顔なんかどうでもいいんだよ。私は童貞に女の味を覚えさせてやりたいんだ! この人、何をしてもいいのかい?」
「勿論でございます。ここは舐め犬店ドッグファイト、従業員は皆、お客様のご希望のプレイを行うために働いているのです。特にお客様のような常連の方は、特別プレイも可能です。ごゆっくりお楽しみくださいませ」
 店主の言葉を聴き、女の目がキラリと光る。頭を下げて部屋を出て行く店主を目で見送ると、女はベラマッチャに傍へ来るよう言い、近づいたベラマッチャに抱きついてきた。

タグ:小説 創作

第二話 Big Women 其の2 [惑星ブルース~オカマ地獄変]

「ケッ! 何が根拠の無い考えだ。鏡を見た事が無えのかよ!」
店主は頭を抱えたまま吐き捨てると溜息をついて立ち上がり、ベラマッチャに顔を向けた。苦虫を噛み潰したような顔からは怒りにも似た感情が滲み出ており、その感情がベラマッチャに向かっている事は容易に想像できる。ベラマッチャは店主の態度に少し驚き、顔を強張らせた。舐め犬如きなど誰にでもできる容易な仕事だと思っている自分には、店主の怒りが理解できない。
 ベラマッチャが下を向くと、店主が再び口を開いた。
「この仕事をナメてやがるな? 顔が良いか、余程の技を持ってなきゃ客は付かねえんだ! お前の顔は既に不合格、後は女を狂わす技のほうだが……。女に不自由してきた人生だってえオーラを全身から発散させてるぜぇ、お前はよ。ここじゃ客から指名されなきゃ飯が食えねえぜ?」
 店主の言葉にベラマッチャはギクリとした。生まれてこの方、女にモテた事などない。女の味を知ったのもK.G.B.の股ドール、ヅラスカヤを犯したのが最初だった。王子として厳しい躾を受けたベラマッチャは、結婚するまで性交渉をしてはいけない、という父母の教えを頑なに守ってきたのだ。読んで字の如く、舐め犬とは女の身体を舐め回せばよいと思っていたベラマッチャは急に不安に苛まれ、店主の顔をジッと見つめた。
「フッフッフ……やっとしおらしくなってきやがったな。まずは入店前の身体検査だ。マワシを脱いで全裸になれ」
 言われるままマワシを脱ぐと、店主はベラマッチャの正面にしゃがみ摩羅をチェックしはじめたのだ。
病気はなさそうだな。だが思ったとおり粗末な摩羅だ。顔も技も摩羅もダメとなると、ひと月持つかどうか……まずは一度やらせてみるか」
 羞恥に顔を赤らめるベラマッチャは目を瞑り耐えたが、店主のチェックは見ただけでは終わらない。手に取り包皮を剥き二重三重のチェックが入る。やがて店主は立ち上がりマワシを付けるよう言うと、ベラマッチャに店内の規則を説明し始めた。
「俺の事はオヤジ様と言え。スモウで言う親方の事だ。客は舐め犬を指名できるが、舐め犬は客を指名できねえ。要するに客の選り好みをするなって事だ。客とは風呂付の個室でプレイする。プレイスタイルは千差万別だが、客の意に沿ったプレイを心掛けろ」
 店主が顎をクイッっと動かし、ベラマッチャに付いて来るよう促すと、二人は扉を開けて部屋を出て行った。

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第二話 Big Women 其の1 [惑星ブルース~オカマ地獄変]

 ヘンタイロスたちが料理を食べている頃、賭場で捕まったベラマッチャは舐め犬として稼ぐべく、熟女向け風俗店に連れて行かれていた。シャザーン卿の不始末とはいえ、渡世人として歩み始めたベラマッチャには一応の覚悟ができている。連れ立って賭場へ行き、相方が賭場荒らしをすれば自分も只ではすまない。シャザーン卿の事は恨めしく思うが、相方の不始末は己も償う。これは渡世に生きる者の基本である。
 賭場の若い者が店主と思しき初老の男と話をしている最中、ベラマッチャの脳裏にシャザーン卿の顔が浮かんでは消える。憎々しい顔と丁髷頭に唾を吐きかけてやりたいが、今は自分の身がどうなるのかが気掛かりである。居心地が悪そうに俯きながら様々な考え事をしていたベラマッチャの耳に、男の声が入ってきた。
「金貨三百枚! 稼げる舐め犬だって金三貨百枚稼げる奴は少ないんだ! それにほとんどの男は金貨百枚も稼げば借金が終わるか死んじまう!」
「親父、こっちは何も全額回収しようって思ってる訳じゃねえ。このチビが金貨三百枚も稼げるなんて、最初から考えちゃいねえよ。なんとか金貨百枚、生かさず殺さずで稼がせてくれ」
 ベラマッチャが正面に座っている男を見ると、男は腕を組んだまま考え込み始めた。どうやら二人の男はベラマッチャが舐め犬で稼ぐのは無理だと思っているらしい。暫く考え込んでいた店主と思しき男はクワッと目を見開くと、ベラマッチャを連れてきた若い男に向かって言い放った。
「いいでしょう。あんたのところの親分には何かと世話になっている。金貨百枚、稼げるか責任は持てんが、やらせるだけやらせてみましょう」
「流石はポロス一番の舐め犬店、『ドッグファイト』の店主だ。トップブリーダーの腕前を発揮して貰えると助かるぜ。コイツの稼ぎは月末に集金に来る。おいチビ、親父の言う事を聞いてしっかり稼ぐんだぞ」
 賭場の若い男はベラマッチャに声を掛けると立ち上がって店主と握手を交わし、部屋を後にした。ベラマッチャは男の背中を目で追い、ほどなくして店主に顔を向けると、男は下を向き両手で頭を抱えている。先程の会話もそうだが、目の前の店主の態度を見ているとベラマッチャは自身の男としての魅力を完全否定された気がしてならず、少しイラついた様子で店主に声をかけた。
「キミィ、君は僕がこの業界でやっていけんと考えとる様だが、その根拠の無い考えはいったいどこから来るのかね?」
 店主は頭を抱えながら目だけでベラマッチャの顔を見ると、舌打ちして面倒くさそうに呟いた。

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第一話 Knife Edge 其の9 [惑星ブルース~オカマ地獄変]

「うんめぇッ! この肉は柔らかいぜッ!」
 ヘンタイロスが横を見ると、ポコリーノはフォークステーキに突き立て、ガツガツと肉に挑みかかっている。見るからに頑丈なポコリーノの木製の歯はステーキを喰いちぎり、肉を狼の様に噛み砕いて腹の中に入れていった。
「ワシらも食べようではないか」
 ザーメインに促されてヘンタイロスは料理に目を落とし、まずはソースに使われているバジルの匂いを楽しんでからヒラメにナイフを入れた。手に伝わってくるナイフが魚を切り分ける感触は、ポコリーノの巨大ステーキ同様、完全に火を通しておらず少々レアな感じである。生魚を好むイドラ島の食生活に合わせ、完全に火を通さない調理法なのかもしれない。チラリとザーメインを見ると、ザーメインは何度か頷きながら料理を頬張っていた。
 ヘンタイロスもヒラメのムニエルを口にし、何度か噛んだ。ナイフから伝わってきた感触どおり、ヒラメは完全に火を通されていない。だが魚特有の臭みは感じられず、焼き加減とソースの味で一皿の料理として完成されている。
美味しい! なんだかホッとする味付けねん!」
 ヘンタイロスは注文したヒラメのムニエルが、料理として完成されている事を素直に認めて料理人に向かって賛辞を述べた。隣のザーメインを見ると先程の様子と違い、少し首を傾げている。ヘンタイロスはザーメインの態度を不思議に思ったが、まずは空腹を満たすため料理を平らげる事に集中した。
 ヘンタイロスが味わいながら料理を食べていると、十六文ステーキなる巨大な肉料理を食べ終わったポコリーノが珍しく料理人に賛辞を贈った。
「フゥーッ! うんまかったぜオヤジ! あんたの腕は噂どおりだ! そこのアンチャン、すまねえがビールをくれッ! ビールをッ!」
 ポコリーノが料理人を褒め、その隣で働いている若い料理人にビールを注文し、ポケットからナイフを取り出して歯間に詰まった食べ滓を掃除し始めたのをヘンタイロスは見てしまった! あと少しで食べ終わるのに、この馬鹿は食欲を失くす様な事を……。だが文句を言えば喧嘩になるだろう。ヘンタイロスは喉まで出掛かった言葉を飲み込み、最後の一切れを口に運んだ。
 ナプキンで口を拭き、食後に出された紅茶を飲んでいると、隣のポコリーノはもう四杯目のビールを飲み終えるところだった。
「ヘッヘッヘ、ちょっと便所に行ってくるぜ」
 ポコリーノが席を立った隙にヘンタイロスはザーメインに目配せし、お互いに頷いた。支払いをポコリーノに押し付けて帰る事にしたのだ。そんな事を知らない上機嫌のポコリーノは、陽気な歌声を便所から響かせていた。
「亭主、便所に入っておる者が勘定を払う。馳走になった」
「ありがとうございました」
 ザーメインとヘンタイロスが席を立ち、歩き始めたと同時に若い料理人たちの挨拶が響き渡ると、出入り口に向かって歩いていたザーメインの脚がピタリと止まった。そしてザーメインは振り返ると、料理人に向かって一言だけ呟いたのだ。
「あがりの紅茶が美味すぎるのぅ……。変えたほうがいいじゃろう」
「うッ!」
 料理人は顔色を変えてジッとザーメインを見つめると、ザーメインが飲んでいた飲んでいたカップを手に取り匂いを嗅いだ。
「――お客さん、あんたいったい……」
 呆然とする料理人は再びザーメインを見つめたが、その口からは一言発するのがやっとの様子だった。ザーメインは料理人から顔を背けると料理人の言葉には答えず、ヘンタイロスを伴って店を出た。
「この馬鹿野郎! 勝手に高い茶葉に変えやがって!」
 店の中から聞こえてきたのは間違いだらけのポコリーノの歌に代わって、若い弟子を怒鳴りつける料理人の怒声だった。


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第一話 Knife Edge 其の8 [惑星ブルース~オカマ地獄変]

「ご注文はお決まりでしょうか?」
 メニューを持って来た男が注文を伺うと、ザーメインとヘンタイロスはお勧めメニューであるヒラメのムニエルを注文し、ポコリーノは十六文ステーキを注文した。
 オーダーを取りに来た男が厨房に注文を伝えると、ヘンタイロスは興味深そうにレストランの中を見回し始めた。大陸様式の店作りであり、店内はイドラ島ではあまり見かけない洒落た作りになっている。部屋の隅に鉢植え観葉植物が置いてあり、照明も大陸風のランプを使っている。だが自分たちが座っているカウンターは大陸風の店に馴染まない。まるで寿司屋かパブのようである。
 ヘンタイロスは疑問に思った事をカウンター内の従業員に聞いてみる事にした。
「ねえん店員さん、お洒落で素敵なお店だけど、寿司屋でもないのに何でカウンター席があるのん?」
 目の前で忙しなく包丁を動かしていた男が顔を上げてヘンタイロスの方を向くと、にこやかな顔で答えた。
「この店は以前、寿司屋たったんですが、今どき寿司屋なんて流行りませんからね。イドラ島じゃあカウンター席がいいっていうお客さんも多いですから、そのまま残してあるんです」
 そう言い、再び下を向いて包丁を動かし始めた男の頭をヘンタイロスは見た。料理人たちが被っている帽子は頭頂部が開いており、料理人によって長さが違う。親方らしき男が被っている帽子は恐ろしく長く、ヘンタイロスの質問に答えた男の帽子は親方の半分くらいで、若い男が被っている帽子は更に短い。おそらく料理人のランクによって長さが決まるのだろう。
 ヘンタイロスが料理の美味そう匂いを嗅ぎながら、なぜ帽子の長さが違うのか考えていると、隣に座っているポコリーノが呟いた。
「お洒落だか駄洒落だか知らねえが、こういう店は尻の穴がムズムズして居心地が悪いぜ」
 見ると、確かにポコリーノは心地悪そうな顔をしている。ポコリーノはレストランで高い料理を食べるより、居酒屋などで飲み食いするほうが性に合っているのかもしれない。
 そんな事を考えているうちに、料理が運ばれて来た。
「お待たせ致しました。十六文ステーキでございます」
「ヘッヘッヘ! 待ってました!」
 ポコリーノは肉にフォークを突き刺してステーキにかぶりついた。それを見ていたヘンタイロスとザーメインにもヒラメのムニエルが運ばれてくる。
 ヘンタイロスは目の前に置かれたヒラメをジッと見た。盛り付けは綺麗に纏まっており、薄い緑地の器も品が良い。目で見る限り調理は完璧である。
 ヒラメにナイフを入れようとした時、再び横からポコリーノの声が聞こえてきた。

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第一話 Knife Edge 其の7 [惑星ブルース~オカマ地獄変]

 若い男は額や鼻口から血を流し、異様な泣き声をあげて床を転げ回るが、口に入れた魚の切り身を吐き出そうとはしない。それどころか、泣き叫びながらも噛む事を止めず、とうとう魚を飲み込んでしまったではないか!
 親方は舌打ちしながら竹刀を壁に立て掛け、再び魚の仕込みに戻ると若い男はゆっくり立ち上がり、流れる血を拭きもせず薄笑いを浮かべながら他の男たちが並ぶ列に戻って、何事も無かったかのように無表情で親方の仕事を見つめている。
 ヘンタイロスたちは、料理とは思えぬ凄まじい光景を更に近付いて見ようと、ほんの少しだけ扉を開けた。だが蝶番から僅かに錆びた音が洩れ、一気に料理人たちの注目を集める事になってしまった。
「だっ、誰だ! てめえらはッ!」
 列に並んでいた一人の男が走り寄り、勢いよく扉を開けてヘンタイロスとポコリーノを交互に睨む。ザーメインが「まあまあ」と割ってはいろうとすると、室内から仕込が終わった、との親方の声が響いた。
 するとヘンタイロスたちを睨んでいた若い男は急に笑顔になり、三人に向かって恭しく頭を下げたのだ。
「いらっしゃいませ。ただいまジャスト開店の時間でございます」
 男の態度の急変に三人は呆気に取られたが、なんとか事無きを得たようである。そもそも仕込みを覗き見ていた自分たちに非があるのだ。怒鳴られたとしても文句は言えないのである。
 室内に案内された三人がカウンター席に座ると、先ほど扉を開けた男がメニューを持ってきた。
「本日のお薦めはヒラメのムニエルでございます」
 先ほども魚の仕込みをしていたから、今日は良い魚が仕入れられたという事だろう。ヘンタイロスとザーメインは目を見合わせ、ヒラメのムニエルを注文する事にした。ポコリーノは喧嘩稼業で疲れているのか、十六文ステーキという巨大なステーキを注文するようだ。
 ザーメインが右手を上げ、パチンと指を鳴らすと、オーダーを取りに男がやってきた。

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